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Macrobiotic 1月号(2008) 特集「カリ石鹸」 PDF


 

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イオン化傾向による性能の違い



カリ石鹸

固形石鹸

苛性カリ
原料アルカリ
苛性ソーダ
大きい
イオン化傾向※
小さい
大きい
石鹸分子の大きさ
小さい
ほとんど浸透しない
浸透性
若干浸透する
短時間
すすぎ時間
若干長い
ほとんど残留しない
肌への残留性
残留しやすい
角質が柔らかくなる
肌へのはたらき
特にない

疑似皮脂膜として
バリア機能を再生する

バリア機能の
再生

バリア機能を再生するが
非常に弱い

環境性
良い
容器が必要
運搬性
非常に良い


上記の通り、カリ石鹸と固形石鹸ではイオン化傾向※の違いにより基本特性が異なります。

<固形石鹸>
固形石鹸のメリットは運搬性の良さと製造の手軽さにありますが、製造の利便性を優先して原料に苛性ソーダを用いたデメリットとしては、石鹸分子の大きさが比較的小さいため、肌に石鹸成分が残りやすく、洗った後は時間をかけて十分に濯ぐ必要があります。時間をかけて濯げば石鹸成分は肌に残留しないため問題ありませんが、濯ぎに時間をかけた分だけ肌に手を擦ることや水道水中の塩素が肌に負担をかけてしまうジレンマに悩まされます。濯ぎ残しがあると肌が乾燥し、肌トラブルの原因になり注意が必要です。昭和の頃のように固形石鹸で洗髪する人は少ないとは思いますが、洗髪ですすぎ残しがあると石鹸成分が毛穴に残留し抜け髪を引き起こすと、髪の毛が禿る原因にもなりかねませんので、気合を入れて十分に濯ぐ必要があります。これは一般的な市販のシャンプー(合成界面活性剤)にも同じことが言えます。

<カリ石鹸>
カリ石鹸は石鹸分子が比較的大きいため、肌への浸透もほとんどなく、驚くほど濯ぎ時間が短縮できるので、水道水中の塩素に曝される時間が短く、肌にやさしいだけでなく節水にもなります。デメリットとしては、カリ石鹸を入れる容器が必要なのでコスト面では、固形石鹸に比べると割高になることです。

<結論>
石鹸は肌の状態や目的に応じて、価格の安さで固形石鹸にするのか、肌にやさしい高性能なカリ石鹸にするのかを選べばよいと思います。


※イオン化傾向は中学2年生の理科の授業で学びますが、簡単には水溶液中に電子を放出して陽イオンになりやすいことです。

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